はじめての金ペン万年筆を探している方にオススメの万年筆「ペリカンスーベレーンM400」を紹介します。
ペリカンスーベレーンM400は、私にとって思い入れのある万年筆。祖母の形見のように「思っている」万年筆です。細かいことは後述します。
本日は、金ペン万年筆初心者としてスーベレーンM400を購入したときのレビューと、M400を手にすることになった経緯を紹介します。
目次
スーベレーンM400は可愛さと使いやすさが両立

1950年に発売されて以来、老舗文具メーカーペリカンの代表作として愛される万年筆がPelikanスーベレーンシリーズ。樹脂と透明セルロースのストライプが組み合わさった美しい同軸が特徴です。
カラーラインナップは5種類あり、「緑縞」が一番有名です。
- 緑縞
- ホワイトトートイス
- ブルー縞
- ボルドー
- ブラック
ピストン吸引式で、本格的なボトルインクからの吸引を楽しめます。Pelikan伝統のデザインはそのままに、持ち運びできるサイズの可愛いモデルがペリカンスーベレーンM400。
キャップを付けたときの重心のバランスがちょうど良く、可愛らしいイメージとは裏腹にシッカリとした筆記ができます。
手帳のお供にピッタリの小柄なサイズは持ち運びもしやすく、ペリカンスーベレーンシリーズで一番人気です。
サイズが違うスーベレーンシリーズ
M400のペン先は太め

マサオカ
ペリカンのペン先は日本製と比べて太い!!
ドイツ製ペリカンのペン先は、日本製のペン先よりもやや太く作られています。M400の一番細いサイズのEF(極細字)は、日本製万年筆に置き換えるとF(細字)くらいの太さです。
これは、アルファベットと漢字文化の違いですね。M400の一番人気はEFで、私もEFを選びました。
- EF(極細字)
- F(細字)
- M(中字)
- B(太字)

ペン先が違うだけで筆記感が全然違います。ペン先は14金でインクの出が良く、筆記感はやや固め。鉄ペンの筆記感に近いです。
ペリカンM400に使っているインク

マサオカ
ボトルのデザインもインクを選ぶポイント!
インクもメーカーを合わせています。ペリカンのエーデルシュタインインク「タンザナイト」を使っています。

容器がかなりオシャレで、プレゼント用としてもウケそうな高級感。デスクの上に置いておくだけで雰囲気がでます。
とても気に入っているインク。タンザナイトという色は、ブルーブラックと言うよりは薄い青がかった黒です。
私の使い方

普段使いのために小さいM400を購入したはずですが、普段使いをしていません。この万年筆を使うタイミングは、2パータンです。
- 自分の署名(承認などのサイン)を書く時
- マインドマップで筆記に集中するとき
これからもっと使い込んで自分の筆記型にペン先を削って、自分だけの一本に育てるのが楽しみです。
マサオカ、万年筆買うってよ
一つひとつ、モノにはストーリーがあります。買うまでの経緯や、使っていて起こった思い出全て、ものを介して思い出せます。本来「形見」とは、そのモノを見た時に形(その人)が見えてくるもの、という意味に使われていました。
人生初の金ペンの万年筆が、このペリカンスーベレーンM400です。
この購入には色々な思い出があり、この万年筆の購入に至る色々な体験をきっかけに、モノを持つということに対する考え方が変わりました。
万年筆を買うために貰ったお祝いを使い込んだ
「万年筆」と聞くと、特別な思い出が蘇ります。
私の20歳の誕生日まで遡ります。祖母から、20歳になったお祝いに、「一生使える万年筆を買いなさい」「ずっと使えるものがいい」とお祝いを貰いました。「現金で」貰いました。
その時、祖母はもう一緒に買物に行く体力もなかったので、自分で好きなのを選んで買ってね。とお金だけ渡してくれたのです。

マサオカ(大学生)
ありがとう!ばあちゃん!!
当時のマサオカ、そのお金をパチンコに突っ込みました。
底辺大学生です。人間のクズです。そして結局、万年筆を買いませんでした。その時は、「ごめん、ばあちゃん!悪かったな!」くらいの気持ちで、反省もしていませんでした。
それから数年後、祖母が亡くなります。
数年遅れて万年筆を買いなおした
そんなこんなで社会人になり、2014年。マサオカは23歳でした。脳梗塞で倒れ、一年間入院していた祖母が、亡くなりました。
そういうときって不思議なもので、ひとしきり泣いたあと、祖母との思い出を振り返りました。「ばあちゃんの形見、そう言えばないよな」という考えが浮かんで、今までわすれていた万年筆約束がふと頭の中にでてきました。

マサオカ
あの時、万年筆買っとけばよかった。
そうして、こんな思考に行き着きました。

マサオカ
万年筆、ばあちゃんがくれた金はないけど、ばあちゃんが買ってくれたと思って、ちゃんと万年筆を買おう。そして形見にして大切に使おう。
厳密にいうと形見じゃないけど。
その過程で、ばあちゃんに「良い物を持ちなさい」って言われていたなーとか、礼儀、箸の持ち方、知らない間に教えて貰っていた色んなことを思い出しました。
コレを、「形見」だと思って大切に扱うようになりました。そういう意識で使うようになったら、愛着が強まってきます。そしたらなおさら、大切に扱うようになりました。

マサオカ
ハンターハンターでいう「死後に強まる念」みたいなやつ?
筆記具に3万円くらい出したら考え方が変わった
祖母との思い出を振り返ると、私の「良いもの持ちたい思考」を作ったのは祖母の影響も多少はあったのだと感じます。そのことに気付くきっかけになった購入体験でした。
M400を購入して以降、良いモノを使う感覚を知ったマサオカは、高級ボールペンやビジネスバッグ、スーツケースなど「良い」と思うモノを揃え始めたんです。
入社一年目に、3,000円のパイロットのボールペンを買って「めちゃ高いボールペンを買ったったwww」と言っていた当時の私からは考えられない思考の変化でした。
今まで意識していなかったけれど、モノにこだわって大切に扱っていると、愛着が強くなっていきました。元々、自分の好きなものだけで作るプライベートな空間、好きなものに囲まれるのが好きです。愛着を持つために、大切に扱っていることに気づきました。
私の場合、大切に使うから愛着をもつわけじゃないんですね。
まとめ
M400のGoodポイントは、小ぶりながらピストン吸引式でボトルインクからの吸引を楽しめること。
そして何より、ひと目でTheペリカンとわかる伝統的なデザイン。
所有欲を満たしてくれる一本です。軽く小さいので、女性にもオススメ。
万年筆にはメンテナンスが必要ですが、その手間が愛着になります。書けば書くほどペン先が自分の書き癖に合わせて削れていきます。そうなると、世界に一本の自分の手に合ったペンになるんです。
手入れをしていると、いろんなトラブルにも遭遇しますが、それもまた良いのですね。
M400スペック
全長 | 127ミリ |
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軸経 | 12ミリ |
重さ | 15グラム |
インクの吸入方式 | 吸入式 |
ペン先 | 14金ロジウム装飾 |
ペン先の太さ | EF・F・M・B |
カラー | ブラック・グリーン・ブルー・ボルドー・ホワイトトータス |