こんにちは、YouTube動画を撮りまくっているマサオカです。
動画の品質にこだわってると、「音」についての悩みが多くなってくるんですよね。

マサオカ
あれ・・・演者さんの声がうまく撮れてないぞ。
撮り直しできないしどうしよう・・・

ヨメ
今回の悩みは、撮影環境によって声が上手く拾えていないケース。

撮影機材はミラーレス一眼カメラSony a6600を使い、外部マイクにRODE Video Microを接続しています。(たまにOSMO Pockerも使用)

RODE Video Microは単一指向性のマイクです。前方向への集音能力に優れているのですが、真正面以外の音声を拾いにくくなっています。

マサオカ
これがダメではなく、そういう特製のマイクってことです。
どの位置からも満遍なく音声を拾うためには、全ての方向の音を拾える「無指向性」のマイクかピンマイクを使うしかありません。

というわけで、 
高価なだけあって、満足のいく音声が収録できるようになりました。動画を撮っている人はぜひ試してみてください。
- 追加機材は不要。これだけあれば録音できる
- 撮影環境を選ばず高品質な音声を収録
- 軽くて持ち運びが楽
- ピンマイクのロックが便利
- 編集ソフトを使えば音声編集も楽
YouTubeでも紹介しました
目次
TASCAM DR-10Lのデザイン

まずは、TASCAM DR-10Lのデザイン・内容物をチェックしていきましょう。


付属品はこちら。ベルトクリップやラベリアマイクなど、ピンマイク収録に必要な小物が全て揃っています。DR-10Lだけ購入すれば録音を開始できる構成です。

マサオカ
4GBのMicroSDと単四電池も付属しています。

本体はW52×H55.6×D24.4mm。重さは51g、単四電池を含んだ時には63gになりました。めちゃくちゃ軽いです。
コンパクトかつ軽量。「THE 業務機器」なフォルムで、非常に無骨なデザインです。

前面には、4つのボタンと液晶ディスプレイのシンプルな作り。この画面で各種設定を行います。

背面は単四電池を入れるケースのみ。

内蔵バッテリーではないのが残念ですが、乾電池は屋外で電池切れした時に手に入りやすいので充電式よりもアクシデントに強そう。
Evolta(アルカリ電池)で約10時間、eneloop(ニッケル水素電池)で約8時間、リチウム電池で約15.5時間の連続収録が可能です。MicroUSBを繋いだバスパワー駆動にも対応しています。
- アルカリ電池…10時間
- ニッケル水素電池…8時間
- リチウム電池…15.5時間
- MicroUSBバスパワー

右側面にはスライド式の電源/録音ボタンと、ヘッドホンを差した時のボリューム+/−ボタンです。

左にスライドすると電源が入り、電源オンの状態で右にスライドするとRECが始まります。

左側にはデータのイン・アウトプットの端子が集まっています。

PCに接続するMicroUSB端子・データ保存用のMicroSDカードスロット・音声確認用の3.5mmステレオイヤホンジャックのポートが用意されています。
左上の穴は、ベルトクリップを取り付けるものです。

記録メディアはMicroSDカード(64MB〜2GB)とMicroSDHCカード(4GB〜32GB)に対応。付属SDカードは4GBで、約8時間の録音が可能です。
| 容量 | DualMode OFF | DualMode ON | 
|---|---|---|
| 1GB | 2時間4分 | 1時間2分 | 
| 2GB | 4時間8分 | 2時間4分 | 
| 4GB | 8時間16分 | 4時間8分 | 
| 8GB | 16時間32分 | 8時間16分 | 
| 16GB | 33時間4分 | 16時間32分 | 
| 32GB | 66時間8分 | 33時間4分 | 
私は32GBのMicroSDHCカードに入れ替えて使っています。

付属の金属製ベルトクリップ。


両サイドの穴に取り付けて使います。かなり頑丈で、ベルトに挟むにはパワーが必要。


マサオカ
ベルトにつけると、テレビ収録みたいでかっこいい。

上部には、マイク端子。スクリューロック付きで、引っ張っても抜けません。


ピンマイクをつけて動いてもケーブルが抜けにくく、スクリューロックは非常に便利。

下部は何もありません。

付属のラベリアマイクです。1.6mの長さ。


マイクの先に風防とクリップを取り付けて使います。


マサオカ
小型で目立たず、装着できます。

MicroUSB端子は0.5mくらいの長さでした。

フェイクレザー製の専用のポーチには、全ての周辺機器を収納できました。
| 名称 | TASCAM DR-10L | 
|---|---|
| サイズ | W52×H55.6×D24.4mm | 
| 重量 | 63g/51g | 
| ラベリアマイク | 1.6m | 
| 記録メディア | MicroSD 64MB〜2GB MicroSDHC 4〜32GB | 
| バッテリー | 単四電池×1 | 
| 連続起動時間 | アルカリ:10時間 リチウム 15.5時間 ニッケル 8時間 | 
| 価格 | 約17,000円 | 
| 録音再生フォーマット | 44.1k/48kHz 16/24 Mono/Poly | 
|---|---|
| コネクター | 1/8(3.5mm)mini TRS JACK スクリューロック | 
| マイク感度 | -42dBV/Pa | 
| 最大入力音圧 | 115dB SPL | 
| 最大入力レベル | -15dBu | 
| 最小入力レベル | -55dBu | 
| マイク入力ゲイン | 14dB〜38dB | 
| インピーダンス | 33kΩ(Mic Bias OFF) 2kΩ(Mic Bias ON) | 
TASCAM DR-10Lの特徴

それでは、TASCAM DR-10Lの特徴を紹介してきます。
買ってそのまま使える

TASCAM DR-10Lは、買ったらすぐ使えます。
本体意外にもマイク・ピン・保存用のMicroSDカード(4G/ 8時間分)と単四電池も付属。周辺機器を揃えなくて良いので、余計なことを考えずに録音を開始できます。初心者にも安心ですよね。
比較検討していたRODE Wireless GOはラベリアマイクが別売りでした。
ロックできるピンマイク

本体とマイクの間の抜けやすいジャック部分にはスクリューロックがついています。
ピンマイクをつけて動いていると接触不良が起こることがありますが、このネジを止めておけば大丈夫です。
デュアル録音で音割れ対策

DR-10Lにはデュアル録音(Dual Rec)機能があります。通常の録音とは別に、異なる入力レベルでもう一つの録音を同時に行える機能です。
なんのために使うの?

ヨメ

マサオカ
音割れした時のバックアップです!
例えば、メインは入力レベルをあげた状態で録音しておき、もう一つはレベルを低めに(-6dB)に設定しておけば、編集時によく撮れている方の音源を選べます。
設定内容が豊富

ビデオのゲイン調整やローカット、ファイルモードなど細かな設定が可能です。
ただしモニターが極端に狭くボタンを使って操作するので、直感的な操作感ではありません。

マサオカ
デジモンやたまごっちを触っているような感覚です。
- Mic Gain(マイクゲイン)
 マイク入力の感度を調整
- Low Cut(ローカット)
 ノイズや風切音を軽減して音声をクリアに録音
- Limitter(リミッター)
 突発的な過大入力による歪みを防ぐ
- Auto Level(オートレベル)
 入力音が小さいときは大きく、大きいときは小さくなるように録音レベルを自動で調節
- FS Sample(サンプリングの周波数)
 サンプリング周波数(44.1kHz / 48kHz)を設定
- Bit Length(電子ビット)
 量子化ビット数(16bit / 24bit )を設定
- File Type(ファイルタイプ)
 録音ファイルのファイルタイプ(Mono=モノラル/ Poly=ステレオ)を設定
- Dual Rec(デュアル録音)
 異なる入力レベルでもう1つの録音を同時に行う
- MP3 Mode(MP3 録音)
 mp3録音(128/192 kbps)の切り替え。OFFはwav
- Track inc(タイムトラックインクリメント)
 録音時間が約15分経過したときに自動的に新しいファイルへの録音を継続(バックアップ)
- Warm Beeps(警告音の設定)
 電池残量・SDカード容量が少ない場合の警告音を鳴らす
- Power Save(電源のオートオフ)
 停止状態の最後の操作から約10分経過すると自動的に電源がオフ
- Name Type(ファイル名の形式)
 日付や指定した文字列をファイル名に付与
- File Name(ファイル名の設定)
 ファイル名を変更
- Fromat SD(SDカードのフォーマット)
 MicroSDカードの初期化
- Mic Bias(マイクバイアスの切り替え)
 ON では、約2Vのマイクバイアスが供給
- Batt Type(電池設定)
 使用する電池の種類(アルカリ・ニッケル・リチウム)を設定
- Date/Time(内蔵時間の設定)
- Sys Init(設定の初期化)
- Ver Info(ファームウェアのバージョン表示)
マイクの音質比較

a6600の内蔵マイク・RODE Video Micro・TASCAM DR-10Lをそれぞれ音声比較してみました。
こちらから確認できますので、ご覧ください。
TASCAM DR-10Lのメリット
- カメラの位置を気にしなくて良い
- ホワイトノイズが軽減された
- ピンマイクを出すと驚いてもらえる
- 軽くてコンパクト
- 収録中はボタンが反応しなくなる
- イヤホンジャックがロックできてピンマイクが抜けにくい
- PCバスパワーにも対応
- ケーブル読み込みが便利
よかったポイントをピックアップして紹介します。
カメラの位置を気にせず録音できる

単一指向性マイクでは拾いにくかった「カメラの後ろ側から喋る声」までクリアに撮れるようになりました。

カメラ正面でも、離れるとと声も遠くなって聞き取りにくいことがありましたが、そういったカメラの位置を一切気にせずに収録できています。
ケーブルロックで安心

別のマイクを使ってピンマイクもどきの収録をしたことがあったのですが、マイクのジャック部分が少し抜けてしまって収録できていないことがあったんですよね。
ネジで固定できているので安心できます。
ホワイトノイズがほとんどない
編集してみると、はっきりと違いを感じました。ホワイトノイズが消えて、声がより近くなったと感じます。
周囲の音にかき消されず、綺麗な声を収録できるようになりました。
TASCAM DR-10Lのデメリット
- 内蔵バッテリーじゃない(単四電池)
- 服が擦れると音割れする
- USB-CではなくMicroUSB端子
- イヤホンポートの音質が悪い
- 音声データは単体保存(動画と紐づかない)
ザンネンだったポイントをピックアップして紹介します。
内蔵バッテリーじゃない

USB-C対応の内蔵バッテリーがよかったです。持ち運び時にモバイルバッテリーで給電できればバッテリー対策もできます。このために予備の単四電池を持ち運ぶのが面倒。
ただし、完全に電池が切れた時にはコンビニまで走ればバッテリーが手に入るので、電池切れで困ることはなさそう。MicroUSBケーブルを使えばパスパワー駆動も可能です。
PC読み込みはUSB-C端子がよかった

PCにUSB接続すると、直接収録データの書き出しができます。MicroSDカードをわざわざ抜き差ししなくて良いのでこれは便利。
ただ、MicroUSB端子なんですよね。周辺機器はなるべくUSB-C規格で揃えている私としては、このためにケーブルを持ち運ぶ、PCに差し直すのが少し不便に感じました。

マサオカ
といいつつ、私が使ってるカメラSONY a6600もMicroUSB端子なんですけどね。
動画と音声データが別で編集が手間

ピンマイク全てに言えることですが、音声ファイルは別撮りです。
編集時に、音声ファイルと動画ファイルと重ねる手間が生まれます。今までは、映像データに音声ファイルがくっついた状態から編集をスタートしていたのでちょっと面倒。
ただし、Premire Proを使って、音声と動画データを一瞬で終わらせる方法を見つけました。

マサオカ
「同期」を使うと音声と動画の声合わせが一瞬で終わります。
最後に、動画ファイルと音声ファイルのデータをカンタンに同期する方法を紹介します。
音声ファイルと動画をかんたんに同期する方法
それでは、書き出した音声データを映像に同期する方法を紹介します。利用する編集ソフトはAdobe Premiere Pro CCです。
- STEP音声ファイルを配置する  
- STEP動画と音声ファイルを複数選択  
- STEP右クリックで同期を選択  
- STEP同期ポイントを「オーディオ」に選択してOK  
- STEP映像に合わせて音声ファイルが再配置される  
これを覚えてから音合わせのストレスがなくなりました。かなり便利な機能ですので、ぜひ覚えておきましょう。
TASCAM DR-10L まとめ

ここが良い
- 追加購入なしでそのまま使える
- 軽くて小さくかさばらない
- カメラの位置を気にしなくてよくなる
ここが残念
- バッテリーは単四電池
- 音声データ単独で保存(編集ソフトで解決)
- 出力はMicroUSB端子
価格は17,000円と高価ですが、環境を選ばずに高音質な音声を撮れるようになりました。
動画と音声ファイルを別撮りするので編集時に動画と音声を合わせる手間が増えましたが、編集ソフトの「同期」を使えば一瞬で声合わせできます。
編集作業の不便さはあまり感じません。Premire Pro最高ですね。
ここまで読んでくれたということは、あなたも動画音質にこだわりがあるということですよね。ピンマイク、想像以上に良いですよ。あなたも試してみてはいかがでしょう?
本日はここまで。ありがとうございました。マサオカ(@iMassa07)でした。

マサオカ
製品は大満足!だけど音声ファイルと動画ファイルが分かれるのが気になってしまうので★9です。
比較した「RODE Wireless GO」を買わなかった理由
TASCAM DR-10Lの購入前、もう一つの有名ピンマイク「RODE Wireless GO」と迷っていました。
結果的にWireless GOをやめてDR-10Lを選んだのはこんな理由からです。
- Wireless GOは送信機と受信機、2つのバッテリー管理が面倒
- バッテリー持ち最大7時間
- ピンマイク・カメラ接続ケーブルが別売り(合計35,000円オーバー)
- WirelessGOは音質のチューニングができない
Wireless GOは、ワイヤレスでカメラと接続できる便利なピンマイクなのですが、送信機と受信機にそれぞれバッテリーがあり、どちらかの電池が切れると使えなくなります。
それに私が考えていた(TASCAM DR-10Lと同じ)構成を作ろうとすると3.5万円を超えました。同じ性能であれば、TASCAMの方が2万円くらい安くなります。

マサオカ
DR-10Lが2台買えるぞ。
それでもRODE Wireless GOの魅力は、カメラで撮った動画とピンマイク音声を同じファイルに記録できることです。TASCAMは編集ソフトで同期しなければいけません。ちょっとの作業差ですが、この一点がとても魅力的。
価格にこだわらないよってあなたは、こちらもおすすめですよ。
 
															 
															 
															 
															 
															 
							





